こんにちは!主人は韓国人。日韓国際結婚10年目のはるはるです。
日韓ハーフの2人の息子たちの名前は、韓国の義父がつけてくれました。そして「行列字(항렬자/ ハンリョルジャ)」と言う風習を知ることになります。
日本でも以前は、家の長が名づけをする風習があったと思いますが、現代では「夫婦で名前を考えたい!」という方がほとんどですよね。なので韓国の男子の名づけの風習に、戸惑ってしまうかもしれません。
私も当初は、自分で名前を付けられないことを残念に思いましたが、息子2人の韓国名をとても気に入っています。
この風習を知ると、かなり興味深い!韓国でも少なくなってきた、行列字( ハンリョルジャ)という名づけの風習についてご紹介します。
韓国男子の名づけルール、行列字(ハンリョルジャ)とは?
韓国での男子の名づけの風習、「行列字(항렬자/ハンリョルジャ)」は、「回し字(돌림자/ドルリムジャ)」とも言われます。いったいどんな風習なのでしょうか。
ルーツは中国の輩行字(はいこうじ)
輩行字(はいこうじ)とは、同じ宗族の世代ごとに、名前に特定の漢字を使う中華圏の風習です。漢字そのものを共通にするのではなく、漢字の部首を同じにすることも。
日本でも、歴史的に有名な位が高い家などは、一族の名前に同じ漢字を使っている人物が多いですよね。
もともとは中国にあった名づけの習慣が、韓国や日本に伝わったものです。
儒教の思想から産まれた名づけ法
自分のルーツや、家系を大切にする思想から生まれた伝統的な名づけの方法です。名前の漢字の二文字のうち一文字を、一定の決まりに従って決定します。
家によって様々な方法があるようですが、代表的なものは、中国の哲学「五行思想」に基づいて考えられたもの。「金水木火土」が、部首で使われる漢字の中から選択します。
韓国男子の名づけルール、行列字(ハンリョルジャ)の特徴
行列字(ハンリョルジャ)で名づけをする家は、韓国でも少なくなってきました。その昔権力を持っていたような、伝統のある一族は風習を残しているようです。
行列字(ハンリョルジャ)は、一族で決定される
行列字(ハンリョルジャ)は、その一族で決められるようですが、いったいどこでどうやって決めているのか分かりません。伝統が続く家系では、一族の大きな集まりがあるようなので、そういう場所で決めているのかもしれませんね。
私の主人がまさに伝統がある家系で、義父からも「次はこの漢字を使いなさい」と伝えられました。主人が24代目、子供達が25代目。そしてなんと50代目までの行列字(ハンリョルジャ)が、すでに決められています。
名前で同じ一族の何代目なのか分かる
例えば「五行思想」の「金水木火土」を用いて漢字を決めている場合。
「木」の入った漢字を行列字にしたら、その次の代は「火」の入った漢字というように、代によって漢字を変えます。兄弟や従兄弟は同じ漢字を使い、その子供達はまた違う漢字を使います。
「行列字(돌림자/ハンリョルジャ)」の法則は、家系で違いますが、基本的にどの一族の何代目なのか分かるように定められているようです。
この名づけ方法だと、見ず知らずの同姓の人物でも、「同じ一族なのか」、「同じ一族であれば何代目なのか」が、すぐ分かりますね。
私の主人も、遠い遠い親戚になると、20歳年上の方でも、代は主人の方が上であったりするので、とてもおもしろいです。
女子の名前には使わなくても良い
女子には、行列字(ハンリョルジャ)を使う家はかなり少ないようです。夫婦で名前を付けたり、姓名判断などでつけることが一般的です。
まとめ|韓国の男の子の名づけの法則は、同じルーツを持つ一族の存在を感じることができるもの。
韓国では儒教思想が残っている風習が多いです。目上の方を敬い、家族を大切にする考えはこの儒教の教えからきています。
韓国ドラマでも、特に父親に敬語を使い、家族を大切にする場面が見られますよね。隣に中国という大国がある陸続きの小さな国では、家族や一族の結束が、本当に重要だったと思います。
今では見ず知らずの同じ一族が、同じ漢字を使った名前を持っていると思うと、何だか一族の歴史を感じることができますね。